元グランドスタッフのキャリア|経験を生かせる仕事と次の一歩

元グランドスタッフの経験を生かせる仕事と、次のキャリアの考え方を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や、航空会社・空港会社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。募集要項や就航地は年度や時期によって変わることがあるため、最新の情報は各社の公式サイトで確認してください。紹介しているサービスの一部にはPRを含みます。

グランドスタッフとして働いてきて、次のキャリアをどうしようか考えている方もいますよね。『空港の仕事しかしてこなかったけど、ほかで通用するのかな』と不安になることもあるはずです。

結論から言うと、元グランドスタッフの経験は、空港の外でも生かせる力の集まりです。接客・語学・段取り・トラブル対応の4つに分けてみると、どんな仕事につながるかが見えてきます。

この記事を読むと、経験を生かせる仕事の考え方と、空港にもう一度戻る道、次の一歩の決め方が分かります。

目次

元グランドスタッフの経験はどこで生きる?

先に結論

グランドスタッフの経験は「空港の専門知識」だけではありません。時間が決まった中で多くのお客様に対応してきた経験そのものが、どの職場でも求められる力なんです。

『空港のスキルは限られていて、ほかの業界では使えない』と言われて、落ち込んだことがある方もいるかもしれません。

確かに、搭乗手続きの端末の操作や運送約款の知識は、空港の外ではそのまま使わないこともあります。でも、その仕事を通して身についた力は、言い換えればいろいろな場面で生きます。

経験を4つの力に分けてみる

力空港で使っていた場面言い換えると
接客カウンターでの搭乗手続き、ラウンジでのご案内初めて会う人に安心してもらう力
語学海外のお客様へのご案内、パスポートやビザの確認外国語で用件を正確に伝える力
段取り出発時刻に向けた搭乗案内、シフト間の引き継ぎ時間から逆算して動く力
トラブル対応遅延や欠航の時の案内、手伝いが必要なお客様の対応予定外のことに落ち着いて対応する力

job tag でも、グランドスタッフに求められる資質として、定時出発のための責任感や、臨機応変に対応する判断力、コミュニケーション能力が挙げられています。

グランドスタッフの経験を接客・語学・段取り・トラブル対応の4つの力に分け、生かせる仕事と結んだ図解

空港で身についた「当たり前」を見直す

空港で毎日していたことは、自分では当たり前すぎて、強みだと気づきにくいものです。

例えば、出発時刻から逆算して動くこと、名前や日付を二重に確かめること、次のシフトの人に漏れなく引き継ぐことです。どれも、ほかの職場では「仕事が正確な人」と見られる力なんです。

身だしなみや言葉づかいに気を配る習慣も、接客の仕事ではそのまま評価されます。

『特別なことはしていない』と思う方こそ、毎日の業務を一つずつ書き出してみてください。

経験を生かせる仕事の対応表

4つの力のうち、どれを一番使いたいかで選ぶ

次の仕事を考える時は、「どの業界か」より先に「4つの力のどれを使いたいか」を考えると、方向が決めやすくなります。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。4つの力と、つながりやすい仕事の例を並べてみました。

仕事の例特に生きる力つながる理由
CA(客室乗務員)接客・語学・トラブル対応同じ航空の現場で、お客様の旅を支える
ホテルのフロント接客・語学チェックインや外国人のお客様の案内が近い
旅行会社の窓口接客・段取り運賃や旅程の知識を生かして相談にのる
観光案内・インバウンドの仕事語学・接客海外のお客様への案内に慣れている
接客や電話応対の研修担当接客・段取り空港で身につけた応対の基本を人に伝える
事務・受付段取り・トラブル対応確認作業と時間の管理に慣れている

CAを目指す場合

元グランドスタッフの中には、CAを目指す人もいます。同じ航空の仕事で、搭乗ゲートでCAと引き継ぎをしてきた経験は、仕事を想像するうえで大きな助けになります。

CAは機内でお客様を迎え、空の上で旅を支える仕事です。地上でお客様を送り出してきた元グランドスタッフにとっては、同じお客様の旅の続きを受け持つイメージですね。

ただし、CAの採用はグランドスタッフとは別に行われます。応募資格や選考の内容も会社ごとに違うので、目指す会社の募集要項をよく読んでおきましょう。

詳しい準備はグランドスタッフからCAになるにはで紹介しています。

ホテルや旅行の仕事を目指す場合

ホテルのフロントや旅行会社の窓口は、空港のカウンターと近い場面が多い仕事です。

旅行の仕事を考えるなら、旅行業務取扱管理者という国家資格があります。観光庁によると、旅行業者は営業所ごとにこの資格を持つ人を選任する必要があり、試験は総合・国内・地域限定の3種類です。

グランドスタッフとして運賃や旅程に触れてきた経験は、学ぶ時の土台になります。資格の詳しい内容はグランドスタッフに役立つ資格で紹介しています。

語学を軸にする場合

国際線のカウンターで外国語を使ってきた人は、語学を軸にした仕事も考えられます。

語学力を客観的に伝えたい時は、TOEICなどのスコアがあると話が早くなります。TOEIC Listening & Reading Testは10点から990点のスコアで評価され、合否はありません。

話す力や書く力を示したい場合は、TOEIC Speaking & Writing Testsという別のテストもあります。

空港で使ってきた外国語が英語以外なら、それも立派な強みです。羽田では英語だけでなく中国語や韓国語の重要性も高まっていると、ANAエアポートサービスは案内しています。

教える仕事や事務を目指す場合

後輩の指導やOJTを任されていた人は、接客や電話応対の研修を担当する仕事にもつながります。

空港では、新しく入った人に業務を教える場面がありますよね。手順を分かりやすく伝え、できるようになるまで見守った経験は、教える仕事の土台になります。

事務や受付の仕事では、正確な確認と時間の管理が生きます。予約の確認や書類のチェックに慣れていることは、大きな強みです。

空港の仕事にもう一度戻る道もある

元グランドスタッフ向けの採用制度がある

一度退職した人や、空港業務の経験がある人を対象にした採用制度を設けている会社があります。名前は会社ごとに違います。

『一度辞めたけど、やっぱり空港の仕事が好きだった』という方もいますよね。

実は、元グランドスタッフに向けた採用制度を設けている会社はいくつもあります。

会社の例公式に書かれている制度や区分
ANAエアポートサービスカムバック採用、空港業務経験者登録採用
ANA成田エアポートサービスカムバック採用、空港業務経験者採用
ANA大阪空港ウェルカムバック採用
JALスカイ・JALスカイ金沢ジョブリターン制度
JALスカイ札幌・JALスカイ仙台JALグループ経験者の再就職・再就業の制度
Kスカイジョブリターン制度(JALグループ・JALブランドパートナーの退職者向け)

JALスカイ大阪のキャリア採用では、JALグループ各社や全国のブランドパートナー社での3年以上の経験などが応募資格に入っていました。JALスカイ仙台の再就業制度は、雇用形態が「正社員、契約社員、アルバイト社員など、会社の雇用形態による」と書かれています。

募集の内容は年度で変わるので、最新は各社の公式採用ページで確認してみてください。

戻る前に確かめておきたいこと

空港に戻る時のチェック
  • 前に働いていた会社かグループかで、使える制度が違うか
  • 経験年数などの応募資格
  • 雇用形態と勤務地
  • 以前と比べてシフトの働き方が変わっていないか

空港の仕事は、業務の仕組みや端末が変わっていることもあります。戻ってから学び直すことも前向きに考えておくと、気持ちよく再スタートできますよ。

次の一歩の考え方

「何がしたいか」と「何が得意か」を分けて書き出す

次の仕事は、好きだった場面と、得意だった場面を分けて考えると決めやすくなります。両方が重なる仕事が、次の一歩の候補です。

ここで少し立ち止まって、自分の経験を振り返ってみましょう。

次の一歩を決める手順
  1. 空港で好きだった場面と、得意だった場面を書き出す
  2. 4つの力のうち、一番使いたい力を選ぶ
  3. その力を使う仕事を、対応表から2〜3個選ぶ
  4. 必要な資格や学び直しがあるかを調べる
  5. 空港に戻る道も含めて、条件を比べて決める

例えば、こんなふうに書き出すと考えやすくなります。

「好きだった場面:海外のお客様に英語で案内して、笑顔で出発してもらえた時」

「得意だった場面:遅延の時に、次の便の案内を順番に進めていけた時」

この2つが重なるなら、語学と接客を使う仕事が候補になります。

元グランドスタッフが好きだった場面と得意だった場面を書き出し、次の仕事を決める流れの図解

職務経歴書には「場面」と「工夫」を書く

新しい仕事に応募する時は、空港での経験を職務経歴書にどう書くかも大切です。

書きがちな表現伝わりやすい書き方の例
カウンター業務を担当混雑する朝の時間帯に、搭乗手続きと手荷物の受付を担当
英語で接客国際線で、海外のお客様に搭乗手続きや乗り継ぎを英語で案内
イレギュラー対応遅延や欠航の時に、次の便への案内を順番に進めた

空港の中だけで通じる言葉は、誰にでも分かる言葉に言い換えておきましょう。

学び直しを考える時は

次の仕事のために、学校で学び直す人もいます。CAや旅行、ホテルの仕事に向けて、エアライン系やホテル・観光系の学校を調べる方もいますよね。

学校の比べ方は、エアライン系の専門学校・大学を資料請求で比べる方法で紹介しています。

グランドスタッフドットコム

エアライン系の学校を比べたい方へ

グランドスタッフを目指す道は、エアライン系の専門学校・短大・大学、社会人からの転職とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校の資料を取り寄せて、接客や語学の授業、空港での実習、就職の支え方を同じ目線で見比べるのが近道です。資料請求で確かめたい点と比べ方をまとめました。

無料エアライン系の学校の資料請求と比べ方を見る

学科の内容や募集要項、オープンキャンパスの日程は年度で変わります。最新の情報は各学校の公式サイトで確認してください。

よくある失敗

「空港の経験は役に立たない」と思い込んで、自己PRで経験に触れないのはもったいないです。面接では、空港での具体的な場面を交えて話してみてください。

元グランドスタッフのキャリアでよくある相談

ここで紹介する相談について

知恵袋などに寄せられている、グランドスタッフの退職後やキャリアについての相談から、よくある内容を要約して答えています。

相談1 グランドスタッフを辞めた人は、どんな仕事に就いていますか

退職後の進路を知りたいという相談はとても多いです。

公式の統計はありませんが、接客や語学を生かせる仕事を選ぶ人もいれば、まったく違う仕事に進む人もいます。この記事の対応表を、自分の好きだった場面と照らし合わせて考えてみてください。

まったく違う仕事に進む場合でも、空港で身についた時間の感覚や確認の丁寧さは生きます。

『自分には空港の経験しかない』と思うより、『空港で鍛えた力がある』と考えてみてください。それだけで、面接での話し方も変わってきますよ。

相談2 人間関係で辞める人が多いと聞いて不安です

これからグランドスタッフを目指す方から、こうした相談が寄せられることもあります。

どの職場でも、人間関係で悩むことはありますよね。グランドスタッフはシフトで多くの人と組んで働く仕事なので、チームで動く場面が多いのは確かです。

一方で、チームで一つの便を送り出せた時の達成感は、この仕事ならではのやりがいです。やりがいと大変なことはグランドスタッフのやりがいと大変なことで紹介しています。

相談3 英語が苦手なまま研修を受けていて不安です

研修中に、語学で自信をなくしてしまう方もいます。

ANAエアポートサービスのよくある質問では、語学の点数や資格だけで合否は決まらないと案内されています。続けるか迷っている時も、身につけた接客の力は次のキャリアで生きるので、焦らず考えてみてください。

よくある質問

元グランドスタッフはどんな仕事に転職できますか?

CA、ホテルのフロント、旅行会社、観光案内、事務など、接客・語学・段取り・トラブル対応の力を生かせる仕事が考えられます。

一度辞めても、グランドスタッフに戻れますか?

カムバック採用やジョブリターン制度など、退職者や空港業務の経験者に向けた採用制度を設けている会社があります。募集の時期は会社ごとに違います。

元グランドスタッフの経験は自己PRに使えますか?

使えます。遅延の時の対応や、海外のお客様への案内など、具体的な場面を交えて話すと伝わりやすくなります。

空港に戻る時、前と同じ会社でないといけませんか?

制度によって違います。Kスカイのジョブリターン制度のように、JALグループやJALブランドパートナーの退職者を対象にしている例もあります。応募資格を確かめてください。

未経験の業界に転職する時に気をつけることは?

空港の言葉をそのまま使わず、どの業界でも伝わる言葉に言い換えることです。未経験からの転職の考え方は、未経験からグランドスタッフを目指す記事も参考になります。

まとめ

この記事の要点
  • 元グランドスタッフの経験は、接客・語学・段取り・トラブル対応の4つに分けられる
  • 4つの力のどれを使いたいかで、次の仕事の候補が見えてくる
  • CA、ホテル、旅行、観光など、空港と近い場面のある仕事が多い
  • カムバック採用やジョブリターン制度で、空港に戻る道もある
  • 好きだった場面と得意だった場面を書き出して、次の一歩を決める

これから空港の仕事に挑戦する方は、未経験からグランドスタッフへも読んでみてください。

グランドスタッフドットコム

グランドスタッフドットコム 編集部

空港のグランドスタッフの仕事内容、なり方と進路、専門学校や大学での学び方、採用試験の準備、航空会社や空港会社ごとの違いを、公的機関と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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