グランドスタッフの職種|地上職の種類と旅客サービスの位置づけ

グランドスタッフの職種と、空港の地上職の種類を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や、航空会社・空港会社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。募集要項や就航地は年度や時期によって変わることがあるため、最新の情報は各社の公式サイトで確認してください。紹介しているサービスの一部にはPRを含みます。

求人を見ていると、「旅客サービス」「地上旅客職」「旅客ハンドリング」など、似た職種名がたくさん出てきて混乱しますよね。

結論から言うと、グランドスタッフは航空の仕事の中の「地上職」の一つで、空港で旅客に接する「旅客サービス」を受け持つ職種です。会社によって呼び方が違うだけで、中身はほぼ同じ仕事を指しています。

この記事を読むと、航空会社の仕事全体の中でグランドスタッフがどこに入るのか、ほかの地上職とどう違うのかが分かります。

目次

グランドスタッフはどんな職種?

先に結論

グランドスタッフは、空港で働く地上職のうち、旅客の搭乗手続きや案内を担当する職種です。会社によって「旅客サービス」「旅客ハンドリング」「地上旅客職」などと呼ばれています。

厚生労働省の職業情報サイト「job tag」では、グランドスタッフを「空港グランドスタッフ」という職業名で紹介しています。職業分類は「旅客・貨物係事務員」、属する産業は「運輸業、郵便業」です。

『事務員に分類されるの?』と驚く方もいるかもしれません。実際には、毎日たくさんのお客様と接する接客中心の仕事です。ただ、端末で発券や手続きを進める事務的な作業も多いので、こうした分類になっていると考えると納得しやすいですよね。

会社ごとの職種名の違い

同じグランドスタッフの仕事でも、会社によって職種名はかなり違います。求人を探す時は、次のような名前を目印にしてみてください。

会社公式で使われている職種名・業務名
ANAグループ旅客ハンドリング
JALスカイ旅客サービス
スカイマーク地上旅客職
AIRDO特定地上職(グランドスタッフ)
四国航空など(JALブランドパートナー)空港係員、旅客ハンドリングスタッフ

職種名が違っても、カウンター、搭乗ゲート、到着の案内などが中心という点は共通しています。仕事の中身はグランドスタッフの仕事内容で詳しく紹介しています。

職種名だけで分からない時は、説明会などで聞いてみるのも手です。例えばこんなふうに聞くと、仕事の範囲がはっきりします。

「この職種では、カウンターと搭乗ゲートの両方を担当しますか?」
「入社後、到着の業務やラウンジを担当することもありますか?」

航空会社の仕事を職種マップで見ると

「空の上」と「地上」で大きく分かれる

航空会社の仕事は、空の上で働く客室と運航、地上で働く整備と空港、そして会社全体を動かす本社の仕事に分けられます。グランドスタッフは「空港」の中の旅客の担当です。

グランドスタッフの職種をつかむには、航空の仕事全体を見渡してみるのが近道です。ここでは、航空会社の仕事を5つのまとまりに分けた職種マップを作ってみました。

航空会社の仕事を客室・運航・整備・空港・本社に分け、空港の中の旅客の担当としてグランドスタッフを示した職種マップの図解
まとまり主な職種の例働く場所
客室客室乗務員機内
運航運航乗務員(パイロット)、運航を支える担当機内、運航の拠点
整備航空機整備士、空港の車両の整備士格納庫、駐機場
空港旅客(グランドスタッフ)、ランプ(グランドハンドリング)、貨物ターミナル、駐機場、貨物の施設
本社企画、営業、管理などの総合職オフィス

例えばスカイマークの採用ページには、グループ会社を作らず、地上旅客職、ランプハンドリング職、航空機整備士、運航乗務員、客室乗務員など運航に関わる全ての職種を自社で採用していると書かれています。航空の仕事にこれだけの職種があることが、よく分かりますよね。

地上職とは「飛行機に乗らない職種」

グランドスタッフの地上職という言い方は、空の上で働く客室乗務員や運航乗務員と区別するための呼び方です。整備士やグランドハンドリング、本社の社員も、広い意味では地上職に入ります。

つまり「地上職=グランドスタッフ」ではなく、グランドスタッフは地上職の中の一つなんです。ここを押さえておくと、求人を見た時に迷いにくくなりますよ。

航空会社本体か、グループ会社かでも分け方が違う

もう一つ知っておきたいのが、職種を採用している会社の違いです。スカイマークのように航空会社本体が全職種を採用するところもあれば、空港の仕事を空港ごとのグループ会社が採用するところもあります。

例えばANAは、全国11か所のANAグループ空港運営会社が空港の業務を担っています。JALも、JALスカイをはじめとする空港旅客サービスのグループ会社が旅客サービスを担当しています。

『ANAのグランドスタッフになりたい』と思ったら、ANA本体ではなく、働きたい空港のグループ会社の採用を探すことになるんですね。

空港の地上職の中で、グランドスタッフはどう違う?

相手が「人」か「飛行機や物」かで分かれる

空港の地上職は、旅客に接するグランドスタッフと、飛行機や手荷物、貨物を扱う職種に分かれます。同じ空港の会社でも、採用は職種ごとに分かれていることが多いです。

ANAの採用ページでは、空港の仕事として5つの職種が紹介されています。それぞれの違いを比べてみました。

職種(ANAの採用ページの名称)主な仕事主な相手
旅客ハンドリングカウンター業務、搭乗ゲート改札業務、ロビーでのサポート、ラウンジ業務旅客
グランドハンドリング手荷物・貨物の搭載、飛行機の牽引や誘導、機内清掃など飛行機、手荷物
貨物ハンドリング貨物の受託、コンテナへの組み付け、搭載と取りおろし貨物
オペレーションマネージメント運航の支援、重量バランスの作成、作業工程の管理運航の情報、各部署
車両整備空港で使う特殊車両や支援器材の整備車両、器材
空港の地上職を、旅客・飛行機・貨物・運航の情報という相手の違いで4つに分けて比べた図解

『グランドスタッフとグランドハンドリングって、名前が似ていて紛らわしい』と感じる方も多いはずです。グランドスタッフはターミナルで旅客に接し、グランドハンドリングは飛行機のまわりで作業する、と覚えておくと区別しやすいです。

2つの違いはグランドスタッフとグランドハンドリングの違いで、もっと詳しく比べています。

グランドスタッフの中でも担当は広がっていく

グランドスタッフとして入社したあとも、ずっと同じ持ち場にいるとは限りません。カウンターや搭乗ゲートで経験を積んだあと、便の情報をまとめるデスクや、スタッフの配置を決める仕事を任されることもあります。

JALスカイの公式サイトでも、新入社員は半年から1年ほどで基礎のスキルを身につけ、その後も適性によってさまざまな業務の教育や現場での指導があると紹介されています。同じ職種の中でも、経験に合わせて仕事の幅が広がっていくんですね。

会社によって職種の分け方は違う

ANAエアサービス松山の募集では、旅客サービス業務とグランドハンドリング業務が別の職種として募集されていました。グランドハンドリングの希望者には、普通自動車運転免許が求められています。応募する時は、どの職種で募集しているかを確かめてみてください。

グランドスタッフは総合職?一般職?専門職?

会社によって位置づけが違う

グランドスタッフを「一般職」とする会社もあれば、「専門職」と呼ぶ会社もあります。同じ会社の中に、総合職と一般職のコースが分かれている場合もあります。

『職種には総合職や一般職があるけど、グランドスタッフはどれなの?』という疑問はよく聞きます。結論から言うと、会社によって違うんです。

会社公式で示されている区分
JALスカイグローバルフィールドコース(総合職)、メインベースコース(一般職/グランドスタッフ)
ANA成田エアポートサービス社員紹介で「専門職」「総合職」の区分
四国航空新卒の旅客ハンドリングスタッフは「専門職 社員」
AIRDO特定地上職(グランドスタッフ)

例えばJALスカイの新卒募集要項では、メインベースコースの応募資格に、大学院・大学に加えて短大・専門学校・高等専門学校の卒業見込みも含まれていました。総合職にあたるグローバルフィールドコースは、大学院・大学の卒業見込みが対象です。

JALの「業務企画職」とグランドスタッフの違い

ここも混同されやすいところです。JAL本体の「業務企画職」は事務系の総合職で、空港のカウンターを担当するグランドスタッフとは別の採用です。

JALの採用ページによると、業務企画職は入社後1〜2年ほど、空港や予約、貨物などの現場か、間接部門で働くとされています。現場の仕事として空港を経験することはありますが、グランドスタッフとして採用されるわけではありません。

詳しくはJALのグランドスタッフになるにはで紹介しています。

募集の内容は年度で変わります

コースの名前や応募資格、募集する職種は年度によって変わることがあります。最新は各社の公式採用ページで確認してみてください。

どの職種を目指すかで進路も変わる

グランドスタッフを目指すなら、専門学校・短大・大学のどれからでも道はあります。ただ、総合職のコースを考えるなら大学卒業が必要な会社もあるので、進路を選ぶ前に確かめておきたいところです。

エアライン系の専門学校では、空港の業務や接客、語学をまとめて学べるところもあります。学校によって学べる内容はかなり違うので、いくつか資料を取り寄せて比べてみるのがおすすめです。

グランドスタッフドットコム

エアライン系の学校を比べたい方へ

グランドスタッフを目指す道は、エアライン系の専門学校・短大・大学、社会人からの転職とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校の資料を取り寄せて、接客や語学の授業、空港での実習、就職の支え方を同じ目線で見比べるのが近道です。資料請求で確かめたい点と比べ方をまとめました。

無料エアライン系の学校の資料請求と比べ方を見る

学科の内容や募集要項、オープンキャンパスの日程は年度で変わります。最新の情報は各学校の公式サイトで確認してください。

学校の選び方はグランドスタッフの専門学校で、会社ごとの違いはグランドスタッフはどこの会社に勤める?で紹介しています。

グランドスタッフの職種についてよくある相談

職種名の違いに惑わされないことが大切

ここでは、グランドスタッフの職種について、よく寄せられる相談に答えていきます。

相談1:グランドスタッフはサービス業?専門職?

「グランドスタッフの職種は、サービス業なのか専門職なのか」という相談があります。

業界で言えば運輸業ですが、仕事の中身は旅客へのサービスが中心です。会社によっては専門職として採用しているところもあるので、「航空の知識を持った接客の専門職」と考えるとしっくりきますよ。

相談2:グランドスタッフと地上職員の違いは?

「グランドスタッフと地上職員は何が違うのか」という相談もよくあります。

地上職員は、飛行機に乗らずに働く人をまとめた言い方です。その中で、旅客の手続きや案内を担当するのがグランドスタッフです。整備士やグランドハンドリングも地上職ですが、グランドスタッフではありません。

相談3:CAとはまったく違う職種?

「グランドスタッフとCAは全く違う職種なのか。グランドスタッフで経験を積んでCAになる人もいるのか」という相談もあります。

職種としては別で、採用も別に行われるのが一般的です。スカイマークの地上旅客職の募集では、客室乗務職との併願はできないと書かれていました。一方で、接客や航空の知識など、生かせる経験は多いです。

詳しくはグランドスタッフとはやグランドスタッフとCAの違いも参考にしてみてください。

よくある質問

グランドスタッフの職種名は何ですか?

会社によって違い、「旅客ハンドリング」「旅客サービス」「地上旅客職」「特定地上職」などと呼ばれています。job tagでの職業名は「空港グランドスタッフ」です。

グランドスタッフは地上職ですか?

はい。飛行機に乗らずに働く地上職の一つで、空港で旅客に接する仕事を担当します。地上職にはほかにも整備士やグランドハンドリング、本社の社員などが含まれます。

グランドスタッフは総合職ですか?一般職ですか?

会社によって違います。JALスカイのように一般職のコースにグランドスタッフが入る会社もあれば、専門職として採用する会社もあります。

グランドスタッフとグランドハンドリングは同じ職種ですか?

別の職種です。グランドスタッフはターミナルで旅客に接し、グランドハンドリングは飛行機のまわりで手荷物の搭載や飛行機の誘導などをします。

グランドスタッフの求人はどんな職種名で探せばいいですか?

「旅客サービス」「旅客ハンドリング」「地上旅客職」「空港係員」「グランドスタッフ」などの名前で探してみてください。仕事内容にカウンターや搭乗ゲート、到着の業務が書かれていれば、グランドスタッフの仕事と考えてよいです。

まとめ

この記事の要点
  • グランドスタッフは、空港で旅客に接する旅客サービスを受け持つ地上職
  • 会社によって「旅客ハンドリング」「地上旅客職」など職種名が違う
  • 航空会社の仕事は客室、運航、整備、空港、本社に分けられ、グランドスタッフは空港の旅客の担当
  • 空港の地上職には、グランドハンドリングや貨物、運航支援などほかの職種もある
  • 総合職、一般職、専門職のどれに入るかは会社ごとに違う
グランドスタッフドットコム

グランドスタッフドットコム 編集部

空港のグランドスタッフの仕事内容、なり方と進路、専門学校や大学での学び方、採用試験の準備、航空会社や空港会社ごとの違いを、公的機関と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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